舌が支える身体の健康~舌の力と呼吸の関わり~
舌の役割とは?
私たちは舌について普段ほとんど意識しませんが、舌の「役割」というものについて、考えてみましょう。
食事をする、会話をするとき、舌は良く働いています。食塊を噛み砕くとき、消化しやすい塊になるよう口の中で唾液をまんべんなく行きわたらせ、飲み込みやすくします。
また、会話をするときには発話のための空気の通り道を上手く作っています。
空気の通り道、ということは「呼吸」にも深く関わっています。
口呼吸をしている人は舌の位置が「低舌位」という形になっていて、通常あるべき位置にありません。舌は筋肉でできていますから、舌の筋力が衰えると低舌位になりやすい、と言えます。
口呼吸の原因の中で多いのが、アレルギー性疾患による鼻の通りが悪くなることで、鼻呼吸が困難になっていることです。
鼻呼吸ができずに口呼吸が当たり前になると、先ほどお話したように空気の通り道を確保するため舌の位置が下がっていき、外から入る空気が直接喉を刺激するようになります。
このため喉が乾燥し、粘膜を保護するバリア機能が十分に働きづらくなって細菌やウイルスに感染しやすくなります。
身体の健康が損なわれることに繋がるのですね。
さらには舌の圧力が周りの歯に影響し、歯並びが損なわれる場合があります。
舌の位置が正常な場合は舌がお口の上部(口蓋)にぴたっとくっつき、喉の乾燥を防ぎます。
また、舌の圧力を周りの歯に影響させることなく、嚙み合わせに問題を与えることもなくなります。
舌の力を取り戻し、健康力を上げる
鼻づまりが当たり前になっている人は鼻呼吸を取り戻すための治療を行うとともに、口呼吸により舌が低位置になることが状態化している人は、正常な舌位となるようトレーニングをおすすめします。
舌の力が衰えてしまうと、
・食事のとき食塊を飲み込みづらくなる→誤嚥性肺炎に繋がる
・発話が困難になり会話に支障が出る
・風邪などをひきやすくなる
・入れ歯が合わなくなる
・噛み合わせに違和感を感じる
などのトラブルを起こしやすくなります。
舌の力を上げるための1分でできる簡単な訓練法と、当院では口腔機能低下症(口の力を測定するテスト)を行っています。
気になる方はぜひご相談ください。