口腔機能低下症にならない対策5つ

歯周病の模型

昨今、テレビでも放送されていましたが、「口腔機能低下症」について注目されています。

口腔機能低下症とは、簡単にお話すると加齢によってお口の機能が少しずつ低下していく症状です。

噛む力や飲み込む力が衰え、唾液の分泌量が減少します。加齢とお話しましたが、お年寄りの方に限らず他の病気をもっていたり障害のある方も、お口の機能が複合的に低下している方もいらっしゃいます。

早い方では40代からお口の機能が衰え始める方も。

ではどのような人が口腔機能低下症を発症する傾向にあるのでしょうか。

 

口腔機能低下症になりやすい人の特徴

歯が痛む高齢者

虫歯や歯周病で歯を無くし、入れ歯やブリッジ、インプラントをしている方は注意が必要です。

噛む機能を補う適切な処置がされていればしっかり噛んで食事ができ、お口全体の機能を低下させることはありません。

しかし、合わない入れ歯やブリッジ・インプラントを我慢し、噛む食事をしているようで実はきちんと噛めていない方は大体のところで噛んで飲み込むという作業になっている場合が考えれらます。

そうすると噛む力が徐々に衰え、お口の中が乾いてますますお口の機能全体が低下傾向に偏っていきます。

噛んで食べるという基本動作ができなければ食事量は減ります。食事量が減るということは偏食に繋がり、栄養不足になります。

体に必要な栄養素を取り入れることができなければ、心身ともにバランスを崩し、体を動かす筋肉も衰え、食欲不振を引き起こします。そして更にお口の機能が衰えてしまう悪循環に陥ります。

こうして少しずつお口の機能が衰えていくと、いつの間にか要介護状態になってしまう恐れがあるわけです。

食事に時間をかけず早く食べる習慣がある人や、ご飯、うどんなど柔らかいものばかり偏って食べている人も要注意です。

噛みごたえのある食材をバランスよく取り入れる食生活を心がけることが大切ですね。

 

もし、口腔機能低下症になってしまったら…?

まず、口腔機能低下症であるかどうか、かかりつけ歯科医にご相談されることをおすすめします。

少しずつお口の力が弱まる症状は自分ではなかなか気づきにくいものです。

チェック項目や検査がありますから、信頼できる歯科医院にて検査を受けられてください。

口腔機能低下症であると診断された場合には、その原因となり得る疾患の治療を行います。

お口の機能を回復させるトレーニングも行い、口腔機能の回復を行います。

 

口腔機能低下症にならないための対策5つ

1、虫歯や歯周病の疑いがある場合は速やかに治療する

2、噛める入れ歯、ブリッジ、インプラントであることが大切

3、日頃からしっかり噛む食事を心がける(一口30回目標)

4、柔らかい食材に偏らず、栄養バランスを考えた食事を意識する

5、毎日適切なお口のセルフケアを行い、定期検診を受ける

 

上記の項目はどれも基本的なことですが、実際にできておられる方はまだまだ多くはいらっしゃいません。

長寿時代の今、自分の身の回りのことは自分でできるくらいの健康な体を維持し続けることが、これからますます求められることになるでしょう。

早々と要介護状態にならないためにも、一つ一つの項目をぜひ実践していただきたいと願います。

 

口腔機能低下症についてのまとめ

以上、口腔機能低下症についてお話しました。

活力を与えるエネルギーを取り入れるスタートラインはお口です。

人生はマラソンのようなもの。

走っている途中でエネルギー不足になって早々とリタイアしないためにも、お口の重要性を今一度考えてみませんか。

痛くなったら歯医者さんに行こう、ではなく、今は痛くなる前に歯医者さんに行こうという「予防の時代」です。

口腔機能を向上させることも予防の一つ。

皆さんがいつまでもお元気で、笑顔で、楽しく走り続けて欲しいと願います。