中高年の健康調査 ”後悔”上位にくる〇〇とは?
定年退職して、さて、自由に好きなことでも…と思った矢先、
・歯茎がぶよぶよで口臭がひどい
・ぐらぐらしている歯が何本もある
といった状況で慌てて歯科医院へ来られる方がいらっしゃいます。
なぜこのような状況になるのでしょうか?
こういった状況は特別に珍しいことではなく、仕事、家庭、地域の活動など一生懸命に頑張ってこられた方がご自身のことをあとまわしに続けた結果、歯周病がかなり進行してしまっていた…というケースです。
中高年のアンケート調査でリタイア前にやっておけばよかった”後悔”上位に来るのは
「歯の定期検診を受ければ良かった」
という結果報告があります。
お久しぶりに来られる方で5年ぶり、10年ぶりという方は実際におられます。
その度に感じることは、我々歯科医師はしっかり啓蒙活動しているつもりでも「つもり」に留まり、患者様に”予防の重要性”を届けきれていない、と痛感せざるを得ません。
参考記事:
歯周病が進行すると・・・
歯周病が進行し、歯周組織が破壊されると歯を支える土台がなくなってしまいます。
ですが、歯周病の基本治療などで歯周病の原因細菌が潜むプラークや歯石を除去することができれば歯周病の進行を止め、ある程度歯茎の炎症を改善させることはできます。
ただ、歯周組織の破壊が骨まで進行している場合、溶けた骨を完全に再生することはできません。
「歯周組織再生療法」にて歯の土台を再生させる治療法もありますが、一般的に再生療法の対象となるのは”中等度の歯周病”に対して。
重度の歯周病であれば土台を再生させることは困難です。
なお、全身疾患(糖尿病や心疾患)をお持ちの方は殊更、歯周病治療が厄介になりがちです。
このことから、歯周病は進行が進むと非常に困難な治療になる、ということをぜひ念頭においていただきたいのです。
歯周病で悩まないためにできること
治療と合わせて検診の大切さをお伝えしつつ、10年後、20年後…歯を失ってから気づく健康の大切さ、後悔しない人生をお送りいただくためにも、今、特にお口に痛みがなくとも、最低限の検診スパンは”3ヶ月ごと”定期検診。
歯周病の恐ろしさと治療の重要性、そしてメンテナンスの大切さをしっかりお伝えし続けます。