口腔機能低下症が老化を加速する

食事が辛い高齢者

口腔機能低下症とは?

食べ物が飲み込みにくくなった、滑舌が悪くなったなどのお口の悩みはありませんか?

年齢とともにそのお悩みが強くなるのだとしたら、もしかしたら「口腔機能低下症」かもしれません。お口の機能が低下した状態をオーラルフレイル(口腔の衰え)といいます。

これらはお口の機能低下に関わる兆候です。

問題は、これらのお悩みを放置し続けると身体全体の衰えにつながりかねない、ということです。

よく噛めない、しっかり飲み込みができない方はそうでない方にくらべて死亡率が2.1倍、要介護認定になる率は2.4倍になるということがわかっています。

 

人は加齢とともに、健康な状態からフレイル(衰え)を経て要介護状態になっていきます。

ただ、フレイルに早めに気づき早めに脱する適切な対処ができれば、衰えのスピードを鈍化させある程度健康な状態に回復できる可能性があります。

老化を加速させないためにはフレイルサインを見逃さず、早めの対処ができるような行動が大切です。

口腔機能低下症になるとどうなるか?

口腔機能低下症になると、お口に関わる問題が頻繁に起きるようになります。

・よく噛めない
・食べ物が飲み込みにくくなった
・食べこぼしが増えた
・噛めない食品が増えた
・食事中にむせる
・お口内が乾燥する
・舌や頬を間違って噛む
・やわらかい食べ物をよく食べる
・滑舌が悪くなった
・言葉が出にくくなった

など、いくつかの割合で上記の状態が当てはまるようになり、フレイルが進むとそが割合がだんだんと増えていきます。

口腔機能低下症が進むと、栄養障害、運動障害が進み、要介護や身体的フレイルのリスクが上昇します。

いわゆる「食力」が衰え、食塊を飲み込めないことで重度介護者リスクが上昇するのです。

食力は歯の残存数にもよるのですが、歯が多く残っており噛む力もしっかりと機能していればたとえ80歳、90歳を超えてもフレイルリスクを緩やかにすることができます。

ですが、歯の残存数が少ない、そして少ない状態で噛めない入れ歯を使っているということであれば、これもまたフレイルリスクを上昇させます。

食力を衰えさせないことが重要なのです。

もしかしたら口腔機能低下症かもしれない…?

当医院では、健康寿命をできる限り伸ばし、寝たきりリスク上昇を抑えるためのお口のフレイルケアを推進しています。

具体的には口腔機能低下症チェックを行い、口腔機能低下症であるのかどうかの判断をおこないます。

口腔機能低下症リスクが高いと判断された方に対しては、フレイルリスクを上昇させない日常生活におけるアドバイスと治療を行います。

噛めないこと・飲み込めないことに慣れてしまい、いつの間にか身体が衰えてしまっていることに気づく前に、ご自身で感じる小さなサインを見逃さない早めの対処が大切です。

気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

参考記事:口腔機能低下症にならない対策5つ