在宅訪問歯科診療について〜自宅で歯の治療を希望する方へ〜

ベッドと車椅子

在宅訪問歯科診療とは?

歯科医院に通院せずに、歯医者さんが自宅もしくは入居施設へお伺いし歯科治療が受けられる訪問歯科についてお話しました。

関連記事:【訪問歯科Q &A】よくあるご質問について

在宅訪問歯科は、お口のトラブル解決のため居宅の患者様のところへ歯科医師がお伺いし、歯科治療を行います。

【コロナウイルス感染拡大防止のためご訪問の際の徹底事項】

・予防のため歯科医師一人でお伺いします。
(1対1の診療のため、診療に多少お時間がかかる場合があります)

・ご訪問前に歯科医師は検温を行い、マスク着用、健康管理を行った上でご訪問します。
(患者様や付き添いのご家族の方にも診療前の検温をお願いいたします)

・治療の区切りごとに手指の消毒を行います。

 

在宅でどこまで歯科治療できるの?

まずお口全体の診査と診断を行います。お口に異常ないか、飲み込みチェックなど細かな診査で問題を顕在化します。

・入れ歯が合わない、痛い
→入れ歯の調整、修理、ご希望であれば新しい入れ歯作成など。

・歯が痛む、出血する
→虫歯治療や歯周病治療を行います。

・飲み込みが悪い、食事に時間がかかる
嚥下トレーニング、お口周りの咀嚼機能回復のためのマッサージを行います。

 

在宅介護と歯科医療について

高齢者の食事風景

在宅で介護を受けられている方のお口の状態と歯科治療の必要性について、要介護者の約9割は何らかの歯科治療が必要との提言がされています。

当院は10年以上前から取り組んでいますが、その頃より随分、訪問歯科に取り組む歯科医院が増えてきました。

訪問の道すがら看板に「訪問歯科」という文字を掲げている歯医者さんを目にすることが多くなったと実感しています。

しかし、まだまだ通院の患者様、ご家族、地域住民の方々や医療関係者の方々に、訪問歯科の周知が足りないのではないか、と思う次第です。

通院患者様が入院されると定期検診のサイクルが突然途絶えることになります。

お口のケアの重要性は別記事でもお話してきましたが、お口の問題は全身の問題と深く関連することがわかっています。

関連記事:
・口腔機能低下症にならない対策5つ

・正しい噛み合わせとは?健康寿命を延ばす噛み合わせ

・噛むことと認知症の関係について

現在、コロナウイルス感染予防自粛のため高齢者の方が歯科受診を控える動きがありますが、歯科受診を控えることによって高まるリスク(誤嚥性肺炎、脳卒中、動脈硬化など)が大変危惧されます。

体全体の機能を衰えさせないためにも、病状が安定した早い段階から口腔環境を守る意識を多くの方に持っていただきたいと切に願います。

在宅介護、在宅医療を受ける患者様は口腔ケアの必要性が高いケースがほとんどです。

在宅介護でお口のケアはつい後回しにされがちかもしれません。

しかし、食事(噛む動作)からの認知症予防、誤嚥性肺炎・嚥下機能(飲み込み)低下予防のためにも、患者様ご本人に痛みがないからといってお口のケアを放置せず、ぜひお気軽にご相談ください。

現在の食事形態からどんなケアが必要なのか、ご一緒に考え、実際のケアとともに回復を目指して最後まで食事の喜びを味わえる人生を送りましょう。