予防に欠かせない歯ブラシの選び方は?

歯ブラシの種類

毎日のお口のケアに欠かせない歯ブラシ。皆さんは、歯ブラシをどのような基準で選んでらっしゃるでしょうか?歯ブラシは磨きやすいもの、手にフェットしやすいもの、毛先が多いもの、少ないもの、硬さなど選ぶ基準は色々ありそうです。

そこで、歯ブラシについて歯科医の立場からお勧めするものをお話したいと思います。

予防に欠かせない必須アイテム、歯ブラシについて

歯ブラシはヘッド、ネック、バンドルという三つの部分に分かれています。ハンドルは持ち手部分であり、ネックの先にあるヘッドにブラシ(植毛)が付いています。このブラシ部分は年齢や用途により様々な種類があります。

では、子供からお年寄りまで迷わず選べるポイントについてご説明いたします。

ベビーブラシと仕上げ磨きブラシ

ベビーブラシ

ベビーブラシは、歯が生え始めた赤ちゃんの乳歯に使用する歯ブラシです。持ち手が赤ちゃんにとって持ちやすい形態をしており、誤ってお口の奥にヘッドを入れても喉まで届かない短いネックが特徴です。

ただ、これはあくまで赤ちゃんが歯ブラシに対し興味を持って親しんでもらうためのものであり、きちんとした清掃は保護者が仕上げ磨きブラシを使って行うようにします。

仕上げ磨きブラシはヘッドが小さく毛は柔らかいので、繊細な赤ちゃんの歯を優しく磨くことができます。「仕上げ磨き用」と記載のある歯ブラシを選ぶと間違いないでしょう。

乳歯用ブラシ(1才〜5才)

乳歯に適した大きさの歯ブラシで、幼児が持ちやすいハンドルが特徴的です。ただ、まだしっかり自分で磨ける訳ではないので、保護者がきちんと仕上げ磨きをすることが大切です。

子供さんの好きなキャラクター付きの歯ブラシで構いませんが、すぐ毛先が開いてしまうと思うので小まめに毛先を確認し、開きっぱなしの歯ブラシを使い続けないように注意します。

混合歯列期ブラシ(6才〜12才)

仕上げ磨きをするお母さん

乳歯から永久歯への大事な生え変わり時に使用する歯ブラシで、乳児用歯ブラシよりヘッドが大きく奥歯まで届く長さがあります。生え変わりに伴い磨きにくい凹凸箇所ができるので、子どもさんお一人では磨きのこしが出来やすいです。

実際、この時期のお子さんは虫歯が出来やすく、多く来院される傾向があります。この時期の子供さんの歯も、保護者がしっかり仕上げ磨きをしましょう。

好きなキャラクターの歯ブラシでも良いのですが、キャラクターにこだわりがなければ大人向けの良品質の小サイズ歯ブラシを使用すると清掃効果が高まります。

良品質の歯ブラシとは、歯科医院で販売している歯ブラシです。歯ブラシは「予防」に力を入れている歯医者さんであればどこの歯科医院でも購入することができます。

当院のおすすめ歯ブラシは

  • TePe(テペ)
  • PROSPEC(プロスペック)

の2種類です。
特にTePeは、毛先がとてもしなやかで歯ぐきに優しくフィットし、歯ぐきを痛めることなく効果的にプラークを除去することができます。

市販の歯ブラシですと「柔らかめ」の毛先を選んだとしても、力加減で歯のエナメル質や歯ぐきを無意識に傷つけてしまいます。しなやかさがないので、歯と歯ぐきの溝・歯の裏側に磨き残しが溜まりがちになります。

これが毎日の積み重ねになり虫歯や歯周病の原因になりますから、できれば歯医者さんおすすめの歯ブラシを使用されることが望ましいです。

実際に使ってみると、TePeでのブラッシングは市販品と比べて断然とても気持ちよく、使用後はお口の中全体をマッサージしたような爽快感が得られます。

当院は一本350円で販売しており、市販品に比べて少しお高めかもしれませんが、虫歯や歯周病になった時の治療に費やす費用や時間を考えると経済的です。歯ブラシについてご相談ご希望の方はお気軽に受付へお申し出ください。

永久歯用ブラシ(13才〜大人)

中学生以上になると大人と変わらない大きさの歯ブラシを使用しても構いません。ヘッドの大きさや毛の硬さは様々にあります。さらに治療中のパターンにより使用する歯ブラシは変わってきます。

日常で使う歯ブラシとしては、毛が柔らかめでヘッドはあまり大き過ぎないものが良いです。なぜなら大抵の方は力を入れ過ぎて磨く傾向にあるので、毛が固いものだと返って歯ぐきを傷めてしまいます。
そして歯一本一本を小刻みに磨いていただきたいので、ヘッドは小さめがおすすめです。

矯正治療中ブラシ

お口にある矯正装置周辺を清掃するための歯ブラシです。専用の歯ブラシは矯正歯科医院にて購入できます。

部分清掃用ブラシ(タフトブラシ)

歯ブラシだけでは届かない狭い箇所や磨きにくい箇所を清掃することができる歯ブラシです。特に奥歯の裏側、凹凸の歯並び周辺などに威力を発揮します。親知らずがある、歯並びが良くない方などはぜひ使用させることをおすすめします。

インプラント・歯周病外科治療用ブラシ

インプラント埋入後や歯周病外科治後に使用する歯ブラシで、毛がとても柔らかくソフトタッチで治療部位を優しく磨くことができます。

通常の歯ブラシだと柔らかめの毛でも刺激を感じる方がいらっしゃいますが、専用の歯ブラシであれば刺激をほとんど感じることなく安心して使用することができます。

インプラントや歯周外科治療をされた方は歯科医院で購入することができます。当院は、スペシャルケアという専用の歯ブラシをご提供しております。

電動歯ブラシ

電動ハブラシは自分で手を動かさずに機械操作で磨くことができる歯ブラシです。ブラッシングは小刻みにヘッドを動かすことで効果的な清掃を得ることができますが、手が不自由な方やご高齢の方はその動作が非常に難しい場合が多いです。その点、電動歯ブラシを使用すると負担なく清掃することができます。

電動歯ブラシは電気店でもいろんなタイプのものが販売されていますが、操作性が悪かったり、形態が簡易的で振動のみといったものもあるので、かかりつけの歯科医院にて購入されることをおすすめします。

当院でも信頼あるメーカーの電動歯ブラシを販売しておりますので、お気軽にスタッフまでご相談ください。

予防に欠かせない歯ブラシの選び方のまとめ

歯ブラシ二本

以上、歯ブラシの選び方についてポイントをお伝えしました。年齢によりその方に合った最適な歯ブラシは異なりますし、日常使用のものから、治療中に使う専門的な歯ブラシまで色々あります。

どのような歯ブラシがご自分に一番ぴったりなのかわからない場合は、歯科医院にて口腔衛生のプロフェショナルである歯科衛生士にお尋ねください。衛生士は歯ブラシの専門家ですから、患者さんに合ったベストな歯ブラシと効果的な磨き方をお伝えできます。

毎日の歯磨き習慣を、より素敵なものになるよう祈っております。