歯周病の方は要注意!あなどれない隠れた虫歯
歯と歯ぐき間の根元に虫歯ができることがある?
虫歯というと、ほとんどの方は歯の表面から徐々に侵食されていくイメージをお持ちでしょう。実は虫歯というのは、歯の表面だけでなく歯と歯ぐきの根元から起こる場合があります。これを「根面う蝕」と言いいます。歯周病を患っている方に多い虫歯です。
歯周病というのは、歯周病菌により徐々に歯ぐきが退縮していく病気であり、歯を失う主な原因となるものです。歯周病菌と虫歯菌は生息環境が異なり、歯ぐきの中に潜む歯周病菌が歯ぐきを溶かし、歯の溝や歯と歯の間、そして隙間に潜む虫歯菌が歯を溶かします。
しかし根面う蝕というのは、歯周病菌が歯ぐきの退縮を進行させた結果、歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、歯の根っこ部分が表面に露出し、虫歯菌が感染しやすくなることで罹患します。
また他の原因として、間違ったブラッシングにより歯がすり減っていること、歯並びが悪くブラッシングしにくい箇所があること、加齢や食習慣(酸っぱいものをよく食べる)、喫煙などがあります。
歯の根っこが虫歯になったら、歯の表面の治療より少し厄介です。歯ぐきの中の病変を取り除かなくてはいけませんから、麻酔をし、歯ぐきの中に器具を挿入して病変を除去します。麻酔をしていますから治療中に痛みを感じることはありませんが、治療後麻酔が徐々に引いていくと歯ぐきに鈍痛や違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
歯周病の進行を防くことも大切です。歯周治療を行いつつ適切なホームケアを身につけて歯ぐきの改善を目指します。歯質をフッ素等で強化し、唾液分泌を促してお口に潤いを持たせると、細菌感染しにくい口腔環境にすることができます。さらにプロフェッショナルケアで通院して定期的にフッ化物の塗布処置を行い、改善された口腔環境を維持していくことも必要でしょう。
歯周病だけではない、気付かないうちに進行する根面う蝕。歯の土台となる根っこをしっかり守るためにも、かかりつけ歯科でぜひ定期チェックを行ってください。