虫歯の痛みの進み方と、虫歯を防ぐ究極の方法とは。
虫歯の痛みはどのように進む?
歯科にかかるとき、一番多いのは歯痛でしょう。”虫歯かな?”と思ったとき、痛みを感じる段階はどのように進むでしょうか。
初期虫歯は、歯の表面が少し溶けている状態です。これが、少しずつ進行すると、歯の表面にツヤがなくなり、薄い茶褐色になります。自覚症状はありません。この段階だと、麻酔をせずに済む場合も多く、感染箇所を削り詰め物をします。さらに進行すると、はっきりと穴が空いている場所がわかり、色も黒っぽくなり、冷たいものや熱いものがしみるようになります。痛みがあるため麻酔をし、感染箇所を削り詰め物をするか、被せ物をします。大抵の方はこの段階で歯科にかかると思います。しかし、歯科に対し抵抗感がある方はさらに放置してしまっています。
神経の治療まで進むと、治療回数・時間・費用がかかります。
歯の神経に虫歯が達してしまった後は、日を増すごとに痛みが強くなっていきます。歯に大きな穴があき、ズキズキと刺すような痛みが走り、歯根に膿がでることがあります。ここまでくると治療回数、治療時間が増え、費用もかかってしまいます。
それでもまだ治療せずにいると、外から見た歯はほとんどなくなり、歯の根っこだけが残って膿が広がり悪臭がします。炎症が広がり歯茎の中の骨も溶けて発熱することもあります。痛みは相当なものでしょう。この状態で歯を残すことは困難ですが、稀に歯根の状態が良い場合は、保存可能となることもあります。しかし、歯根内は複雑な走行をしているために100パーセント治癒することは難しく、その際は歯根端切除術をし、最悪の場合は抜歯となる可能性もあります。
虫歯の治療は、なってからよりも、なる前からが大切です。
今でこそ予防歯科の概念が広く知れ渡っていますが、20年程前までは虫歯はなってから治療が当たり前でした。今は、一度虫歯になると再治療となるリスクが増えることがわかっています。そうなる前に、きちんと予防管理しようという考え方です。
当院は、初期虫歯から神経治療(歯根治療)まで感染除去の処置を丁寧に行い、できる限り再治療にならないよう注意を払っています。ですが、患者さんに一番願っていることは、そもそも虫歯にならないようにご一緒にお口の健康をコントロールしていきましょう、ということです。虫歯リスクを限りなく減らすためのチェックを定期的に行い、口内環境を整えることが虫歯を防ぐ究極の方法だと思います。痛い思いをせず笑顔で毎日を過ごせるよう、願っております。